皆さま御機嫌よう!
今日は最近見つけた面白い論文をご紹介いたします。
皆さんは、
人間以外の生き物は人間の美術や音楽を理解できると思いますか?
きょうはそんな気になる疑問を解決してくれる論文を紹介します。
果たして動物は美術や音楽を理解するのか?
気になりますね。
▼この記事は下記の文献を参考にしました▼
渡辺茂 慶応大学 (2006) ”動物は美を理解するか” 認知神経科学 Vol.8 No.3
詳しい実験内容等を知りたい方は原文を読んでください!
結論
早速ですが結論を言います。
じゃじゃん!!!!!
”ある程度理解出来るがもっと種ごとの検討が必要!!”
といった感じです。
次項ではどのような経緯で結論に至ったか説明します。
そもそも美を認識できるのか?
まず問題なのは人間以外の動物が美を認識できるのかという事です。
文献では鳩や文鳥や魚を用いた実験が紹介されています。
鳩の場合・・・
鳩にモネやピカソの絵の分別の訓練をした後に
色々な絵の中にモネやピカソを混ぜると、
モネとピカソに反応したそうです。
しっかりとモネとピカソの分別はできます。
さらにそれに似た絵画にも反応を示し、
またピカソ同士やモネ同士の絵も見分けるそうです。
文鳥の場合・・・
バッハとシェーンベルグの聴き分けや不協和音への反応も見られたそうです。
その他、 鯉や金魚や鳩でも同様の傾向が確認できたそうです。
つまり一般的に考えられている”美”とそうでないものを見分けられると考えられます。
(※あくまで一般的な話であり、
シェーンベルグが美しくないと言っているわけではありません)
まとめ
鳥類・魚類はある程度、美の見分けがつく!
さらに一般的に言われる”美”とそれ以外に関しても見分けがつく!
美を求めるのか?
分別が出来るとわかったら次に気になるのは、
”美”を求めるのかということです。
論文にはこんな実験が紹介されています。
文鳥の実験
3つ止まり木を用意し文鳥が止まった木に応じて
・バッハ
・シェーンベルグ
・無音
を流す実験です。
結果バッハ(調性のある音楽)とシェーンベルグ(無調の音楽)の間で差があり、
文鳥はバッハの止まり木に長く滞在したそうです。
個体差はあるものの文鳥はバッハを求めるそうです。
人間界で調性のある音楽を聴く人が多いのと同様に、
文鳥でも同じ傾向がみられました。
同じ実験を鳩やラットや金魚でも試したところ、
聞き分けることは出来るが求めることはなかったそうです。
実験では文鳥と人間でのみ聞き分けそれを求める傾向が見られました。
絵画に関しても文鳥は日本画や現代画に対して同じような行動をしたそうです。
まとめ
種で違いがあるものの人間以外にも美を求める動物はいる!!
最後に、生物にとっての美とは・・・
生物にとっての美とは何でしょうか。
考えられるのは”性選択”だそうです。
性選択とは異性をめぐる競争の事で、
選ばれなければ子孫は残せません。
選択されるために鮮やかな色になったり特徴的な形状を持つようになりました。
人間と人間以外では美の基準は異なりますが、
他と違う事を美と定義するのであれば、
よりよい子孫を残し命を繋ぐために美しくある必要があるように思います。
そのために、
鳩やブンチョウや魚が 美を認識し美を求め創造することは当たり前で
合理的のように感じます。
そして、
人間が美しいと思うものを
その他の動物も認識している可能性があるというのは驚きです。
種を超えて美的な感覚を共有している・・・
おもしろいですよね。
まとめ
いかがでしたか?
面白い研究ですよね。
私見ですが、
珍しいものが生まれるのは生物学的には理にかなっているように思います。
同じものが溢れてしまうと誰の目も引けなくなります。
他者と違う事をすることで他者の目を引き選択される可能性を上げれば、
必然的に繁栄の可能性が上がります。
それが音楽や美術や文学に現れる・・・
そうやって人類や文化が進化するし進化してきたと思います。
そんなものがお豆は大好きだ。
以上!
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